テレワーク実施者のうち、86.5%の方が働き方が多様になったと実感。しかしながら、77.0%がそれに伴う課題を感じている。
生活者を中心にしたマーケティング支援事業を提供する株式会社ネオマーケティング(所在地:東京都渋谷区)は2024年4月10日(水)~2024年4月11日(木)の2日間、全国の20歳~59歳の男女を対象に「働き方改革の現在地」をテーマにインターネットリサーチを実施いたしました。
<調査背景>
2019年4月に、働く方々が、個々の事情に応じた多様で柔軟な働き方を、自分で「選択」できるような社会を目指して働き方改革関連法が施行されました。
その後、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言などの影響もあり、一気にテレワーク、在宅勤務等新たな働き方が拡大しました。
個々の事情に応じた働き方が進む一方、労働環境の変化に伴う生産性の低下等、懸念点も多い状況となっております。
そんな「働き方改革の現在地」について今回は、実際にテレワークを実施している方に対して、働き方の実態や課題を調査し、企業がとるべき対策などを考察しました。是非、今後のマーケティング活動の一資料としてご活用ください。
【調査概要】
調査の方法:株式会社ネオマーケティングが運営するアンケートシステムを利用したWEBアンケート方式で実施
調査の対象:全国の20歳~59歳の男女のうち、2019年4月頃の時点で働いており、現在週1回程度以上テレワークを実施している方
(スクリーニング調査では:20歳〜59歳の男女のうち、有職者に実施)
有効回答数:400名
調査実施日:2024年4月10日(水)~2024年4月11日(木)
2019年4月頃と現在のテレワークの実施状況(n=5,128)※スクリーニング調査
まず、スクリーニング設問にて、有職者に対して「2019年4月頃と現在のテレワークの実施状況」をお聞きしました。
2019年4月頃、「週1回以上」テレワークを実施していた方は全体の17.7%だったのに対し、現在「週1回以上」テレワークを実施している方は28.0%と10ポイント以上、上昇していることがわかりました。
「フレキシブルオフィス・ABWの認知度・イメージについて」(n=5,128)※スクリーニング調査
次に、有職者に対して「フレキシブルオフィス・ABWに関してどの程度知っているか」をお聞きしました。
※フレキシブルオフィスとは、企業で働く社員からフリーランスまで幅広い層のワーカーが利用できるオフィスの総称で、主に「シェアオフィス」や「コワーキングスペース」「レンタルオフィス」などを指します。
※ABWとは、「アクティビティ・ベースド・ワーキング」のことで、その時々の仕事の内容に合わせて、働く場所を自由に選択する働き方を指します。
「フレキシブルオフィス」について知っていると回答した方は全体の19.5%と8割近くの方が「知らない」という結果となりました。
「ABW(アクティビティ・ベースド・ワーキング)」について知っていると回答した方は全体の10.6%という結果となりました。
また、それぞれ知っていると回答した方にイメージをお聞きしたところ、「フレキシブルオフィス」は「おしゃれ」が35.2%と最も高く、次いで「立地がよい」が28.4%、「高そう」が25.9%という結果となりました。
「ABW(アクティビティ・ベースド・ワーキング)」は「立地がよい」が40.4%と最も高く、「おしゃれ」34.3%、「働きやすそう」33.2%と続く結果となっております。
まだまだ認知度は低く、コストへの懸念はあるものの、おしゃれで働きやすそうと、今後の働き方改革を進めていくうえで重要なキーワードとなっていくかもしれません。
働き方改革の施行から現在までで、働き方が多様になったと感じるか(n=400)
ここからは、「2019年4月頃の時点で働いており、現在週1回程度以上のテレワークをしていると回答した人」を対象とした本調査です。
まずは、働き方改革の施行から現在までで、働き方が多様になったと感じるかどうかお聞きしました。
※働き方改革:2019年4月より施行された、働く方々が、個々の事情に応じた多様で柔軟な働き方を、自分で「選択」できるようにするための改革
「感じる」と回答した方は「とても感じる」39.3%と「少し感じる」47.3%の合計で86.5%という結果となり、大多数の方が働き方改革の施行後、実際に働き方が多様になったと感じていることがわかりました。
「自身の働き方」に関する変化(n=400)
次に、実際の「自身の働き方」、特に「フレックス勤務」と「シェアオフィスでの勤務」の実施状況に関して、変化があったかをお聞きしました。
まず、「フレックス勤務」の実施状況に関して、全体の63.3%の方が増えた(「増えた」28.5%、「少し増えた」34.8%)ことがわかりました。
年代別で見ると、特に20代が最も増えた割合が高く73.7%の方が増えたようです。
一方で、「シェアオフィスでの勤務」の実施状況に関しては、増えた方は「増えた」15.5%、「少し増えた」31.8%で全体の47.3%と半数以下となっていることがわかりました。
年代別で見ると20代は増えた方と減った方の割合がともに39.5%で同数という結果となりました。
テレワークなど働き方が多様になったことで課題を感じるか(n=400)
次に、テレワークなど働き方が多様になったことで課題を感じるかをお聞きしました。
「感じる」と回答した方は「とても感じる」23.3%と「少し感じる」53.8%の合計で77.0%と8割近い方が、働き方が多様になったことで課題を感じているという実態が判明しました。
テレワークの環境での具体的な課題(n=400)
さらに、テレワークの環境での課題に関して具体的にどういった課題を感じているかをお聞きしました。
課題として最もあてはまると感じられているのは、「オンオフの切り替えがしにくくなった」で80.8%(「とてもあてはまる」37.3%、「少しあてはまる」43.5%)もの方が課題として感じている実態が判明しました。
次いで、「社内コミュニケーションが減った」で76.0%(「とてもあてはまる」24.8%、「少しあてはまる」51.3%)、「自宅の光熱費が上がった」で75.3%(「とてもあてはまる」25.5%、「少しあてはまる」49.8%)となっております。
また、仕事の環境以外にも「仕事に対するモチベーションが下がった」が「とてもあてはまる」14.5%、「少しあてはまる」41.8%と合計で56.3%と半数以上の方が“気持ち”の部分に関してもマイナスの影響が出ている実態が判明しました。
個々の事情に応じた柔軟な働き方を今後も継続して実施していくためにも、多くの方が抱えているテレワークに関する課題、特に「オンオフの切り替え」や「社内コミュニケーションの減少」といった項目に関して、制度の変更やサービスの利用など様々な面でのサポートが急務かもしれません。
自宅で仕事をすることによる仕事の生産性(n=400)
また、テレワークの生産性に関する設問として「自宅で仕事をすること」により、生産性がどうなっていると思うかをお聞きしました。
自宅で仕事をすることによって、仕事の生産性が上がると思うかをお聞きしたところ、「上がる」と思っている方は53.3%(「とても上がると思う」13.3%、「少し上がると思う」40.0%)と約半数にとどまる結果となりました。
前問でテレワーク環境での課題を感じている方も多くおり、テレワークにより必ずしも仕事の生産性が上がっているわけではない実態が判明しました。
ここに注目!▶▶▶コワーキングスペース利用に関する課題感(n=400)
自宅以外でのテレワークについては皆さんどのように考えているのでしょうか。
まずは、「コワーキングスペース」に関する課題感についてお聞きしました。
コワーキングスペースでの仕事に関して、課題感として最も多く上がったのは、「コワーキングスペースは予約を取るのが手間」で79.0%(「とてもあてはまる」23.8%、「少しあてはまる」55.3%)という結果となりました。
僅差で、「コワーキングスペースはコストがかかる」で78.8%(「とてもあてはまる」25.0%、「少しあてはまる」53.8%)という結果に。また、「コワーキングスペースまでの移動が大変」や「コワーキングスペースではミーティングがやりづらい」という項目に関しても7割近い方が「あてはまる」という結果となっております。
コワーキングスペースでの仕事は、セキュリティの懸念や利用時間制限等により、思ったように作業や打ち合わせができない場合もあるようです。
出張・外出先で仕事をすることに関する課題感(n=380)
最後に、「出張・外出先」で仕事をすることに関する課題感についてお聞きしました。
出張・外出先での仕事に関して最も課題を感じられているのは、「出張・外出先で仕事で利用できるスペースがない」で81.8%(「とてもあてはまる」29.5%、「少しあてはまる」52.4%)という結果となりました。
次いで、「出張・外出先で充電など設備を利用できる場所がない」で77.4%(「とてもあてはまる」22.4%、「少しあてはまる」55.0%)となっております。
テレワークが増え、働き方が多様になったとしても、テレワーク先である、「コワーキングスペース」や「出張・外出先」での仕事環境が整っているとは言えず、制度に環境が追い付いていない実態が判明しました。
■この調査のその他の質問
・レンタルオフィス・コワーキングスペース・貸し会議室の利用経験(スクリーニング設問)
・レンタルオフィス関連業についての認知(スクリーニング設問)
・ワークライフの変化を感じるか(本調査)
・出張・外出先での仕事の有無(本調査)
■この調査で使用した調査サービスはコチラ
ネットリサーチ:https://neo-m.jp/research-service/netresearch/
■出典
生活者を中心にしたマーケティング支援事業を提供する「株式会社ネオマーケティング」が実施した調査結果より
URL :https://neo-m.jp/
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